お知らせ

2025年09月17日
今年のインフルエンザワクチンについてのお知らせ

インフルエンザワクチンは、従来の不活化ワクチンに加えて昨年から経鼻生ワクチンが使用できる事になり、今年から公費での助成が行われる事になりました。どちらのワクチンを選ぶべきか迷われる方も多いと思います。

先ず、従来の不活化インフルエンザワクチンには多くの調査データがあり、ワクチンの株(流行が予想された株)と実際の流行株が一致するシーズンでは、ワクチンを接種することで感染リスクが34%-60%下がるとされています。小児の調査でも発症予防効果は39-60%となっています。また、重症化予防効果(入院を予防する効果)については、1865歳の方の予防率は51%、65歳以上の方で37%との結果で、2021年の成人の調査では「インフルエンザで入院になったとしても集中治療室(ICU)への入室リスクが26%低く、インフルエンザによる死亡のリスクが31%低くなった」としています。一定の発症予防効果と重症化予防効果が期待出来ます。

一方、経鼻生ワクチンは局所免疫作用も期待できるなど理論上は非常に優れたワクチンなのですが、国内第Ⅲ相試験(最終の臨床試験)での発症防止効果は28.8%、年齢郡別では低年齢層(2-6歳)で21.6%とさらに低く、AH1N1)やB型に対する効果は評価不能 有意差なしとの結果でした。ただ、海外の調査では不活化ワクチンより高い効果を示すものもあり、現時点で両ワクチンの効果は「明確な優位差なし」となっています。

副作用としては鼻閉、鼻漏が60%程度、また生ワクチンであるため接種後に軽度のインフルエンザ症状を認める事があり、下記に該当する方には接種が行えません。

・ 重度の喘息の方、状態の良くない喘息の方

・ ゼラチンアレルギーの方

・ 免疫不全の方  

また、接種後1-2週間、水平伝播(周囲にうつしてしまう)にも注意を払う必要があります。

今後接種が行われていく事でその有効性がはっきりしてくると思われます。

下記の各ワクチンの比較表もご参考にされて下さい。

より詳しいご説明は↓日本小児科学会HPをご参照下さい ↓。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240909_keibi_i_vaccine.pdf

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